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真性粘菌とは
真性粘菌は、「…菌」と付くので、菌類(カビの仲間)のようですがカビとは違う、変わった性質があります。ある科学者は、「これは最初に他の星からこの地球に落ちてきた、動植物の原型ではないか?」と思ったそうです。誕生したばかりの、まだ生物のいない地球に、この真性粘菌が落ちて来て、今の地球にいる動物や植物に進化したのでは?と考えたのです。なぜかと言うと、この生物は動物と植物の両方の性質をもっていたからです。
(1)「カビ」との違い
所謂「カビ」とは、ある一点を中心にコロニーを形成し広がっていきます、真性粘菌は変形する「変形体」を形成し形を変えながら移動し、捕食して大きくなります。(移動単位は1時間に数センチ)
(2)変形体とは
変形体は細胞壁のない、たった1個の細胞です。成長と、ともに核は何回も分裂して増えますが、細胞分裂は1度もしません。つまり、手のひらほどの変形体が、何億という核を持った超巨大な1個の細胞ということになります。
(3)どこが植物なのか
変形体までが動物のカテゴリーに当てはまりますが、光をきらい、湿ったところに向かっていた変形体は、成熟すると正反対の行動をとるようになります。より明るく、乾いた所へ向かって行き、そこでキノコやカビのような胞子のう(胞子の袋)を作ります。これを「子実体」といい、胞子をばらまいて、仲間をふやします。このような点は、真性粘菌が植物であることを示しています。
(4)多細胞生物なのか単細胞生物なのか
子実体は当然、多細胞生物です。変形体は巨大な単細胞生物です。このように、真性粘菌は、単細胞生物の変形体の時期と、多細胞生物の子実体の時期を両方もっている「ヘンな生き物」なのです。
(5)真性粘菌の繁殖
真性粘菌の胞子が発芽すると、水が多い時は精子のようなベン毛をもった細胞が生じ、少ない時はアメーバ状態の細胞が生まれてきます。この2つ状態は、水の量によって、簡単に変身します。これは人の場合の精子や卵に当たります。これらの細胞は、細菌などを食べ、分裂して増えます。こんな細胞にも、(外見では区別できませんが)オスとメスがあります。オスとメスの細胞は接合し、アメーバ状態の接合体となります。これが、人の場合の受精卵に当たります。 この接合体のアメーバは、エサを食べながら成長を続けます。そして、核分裂をしたり、くっついたり(接合)をくり返し、大きな変形体になります。
(6)水が不足すると冬眠する
生物は、水がないと生きて行けません。細胞壁のない変形体は、水分がなくなると、すぐに乾燥してしまいます。そこで、まわりが乾燥してくると、変形体の内部に、たくさんの仕切りができ、多細胞の状態になっていきます。やがて、個々の細胞は、まわりにかたいカラを持ち、その中で冬眠します。このかたまりを、「菌核」と言い、1年以上も寿命があります。そして、水を与えれば、また変形体にもどります。